遺言書を作ったほうがよいとは思いながらも、私たち行政書士のような専門家に依頼すると「高いから」という理由で遺言書を作らない人が多いですよね。
遺言書を安く作るにはどのようにしたら良いのでしょうか?
「遺言書」と「安い」との言葉の間には、3つの意味があるように思います。
1.遺言書を安く作る。
文字どおり、遺言者の持ち出しの費用をなるべく少なくすること。
なんでも安いほうに、安いほうにと考えると、比例して質も落ちてしまうというのが世の常ですが、遺言書についてもそれはやはり当てはまってしまいます。
分かりやすいのは、よくある「自筆証書遺言」対「公正証書遺言」の対決で、金額の要素では圧倒的に公正証書遺言が負けてしまうこと。公正証書遺言の場合、遺言書を作る際に公証人が関与するので法律で決められた公証人手数料5万円から10万円程度(財産の金額によって上下します)が必要になってくるからです。
自筆証書遺言(自分で全部作る遺言書)の場合には、確かに用紙代(用紙は実はなんでもいい)ぐらいにしか費用がかかりません。100円ショップで便箋を買ってくれば、108円で済みます。
この遺言書は確かに安いです。安いですが、書きようによっては立派な(法律的効果があり、しかも、自分の意思が漏れなく表現できている)遺言書になる可能性がある。
遺言書を安く作ろうと思うのは、決してダメじゃないです。
ただ、遺言をする人が遺言書についての法律知識がある、ということが絶対条件です。一歩譲って、親戚知人友人に法律家がいてタダで自筆証書遺言をチェックしてくれるという例外的な場合のみです。
2.安い遺言書を作る。
この場合の安いは、「価値がない」を意味します。価値がないものはどこまでいっても価値がないので、いくら安く遺言書を作っても全く意味がありません。
公正証書遺言の場合には、安い遺言書が出来てしまう可能性はほぼゼロですが、自筆証書遺言の場合は、安い遺言書が結果的に作られてしまう可能性が格段に高くなります。
3.安く感じる遺言書
遺言者(遺言をする人)やご家族の持ち出し費用は安くありません。ですが、遺言書を作る過程、遺言者が最後に伝えたい事が漏れなく伝わっている、遺言者が亡くなった後にも禍根を残さない内容になっている等、様々な要素によって遺言書を作ったことで深い満足感を与えられる遺言書
これが安く感じる遺言書です。
行政書士阿部総合事務所では、3番の「安く感じる遺言書」を作ることで報酬を頂いています。
遺言書を作る理由はさまざまありますが、遺言書を安く作りたい、安い遺言書を作りたい、ではなく、「安く感じる遺言書」を作りたいと思われたご本人又はご家族からのお問い合わせをお受けしております。
”むずかしいを楽しく”解決支援コンサルタント
行政書士阿部総合事務所 行政書士阿部隆昭
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