セミナー講師として、創業塾での経験は毎回心に響くものがあります。
経営やマーケティングの知識を伝えるだけでなく、受講生との触れ合いを通して、お互いに学び、成長していく過程は、本当に感動的です。
今回は、過去に登壇した創業塾のセミナーでの出来事を振り返り、その感動をブログとして記してみたいと思います。
受講生との出会い
その創業塾では、10名ほどの受講生が集まりました。
彼らは皆、創業を目指す意欲に溢れており、業種もさまざま。地元で飲食店を開業したいという夢を持つ方や、オンラインショップで独自ブランドを展開したいという方など、実に多彩なアイデアを抱えていました。
セミナーが始まる前、まだ少し緊張した面持ちの受講生たちと一言二言言葉を交わしただけで、「この人たちは本当に自分の夢を真剣に追いかけているんだ」と感じました。
私もかつては同じように、夢を抱えて創業に挑んだ時期があったことを思い出し、自然と応援したい気持ちが湧いてきました。
初日のセミナー:不安と期待
初日のセミナーでは、まず「創業とは何か」という基本的なテーマについて講義しました。創業の基礎知識や事業計画の重要性を話す中で、受講生たちが何度もうなずいたり、メモを取ったりしている姿が印象的でした。特に印象に残ったのは、ある受講生の言葉です。
「自分で何かを始めることがこんなに複雑だとは思いませんでした。だけど、やっぱりやりたいんです。ここで学んで、一歩ずつ進んでいけるようになりたいです。」
彼の言葉には、期待と同時に、何かに挑戦することへの不安が感じられました。しかし、その不安の中にもしっかりとした決意が込められていて、私はその一言に胸を打たれました。創業は決して簡単な道ではありませんが、その道を進んでいこうとする人たちと一緒に学べることは、講師としても大きな喜びです。
受講生とのディスカッション:アイデアの共有
セミナーの後半では、受講生同士がアイデアを共有し、ディスカッションする時間を設けました。ここでは、思いもよらない斬新なアイデアや、今まで気づかなかった視点を知ることができました。
例えば、ある受講生は地域の特産品を活かした「お土産ショップ」を計画していました。彼は、自分が地元で感じる魅力を商品化し、観光客にアピールしたいという思いを語ってくれました。他の受講生からは、「ネットショップも併用して、全国に発信したらどうか」という提案が飛び出し、彼自身も「それは考えていなかったけれど、すごくいいアイデアです」と感心していました。
受講生たちがそれぞれの立場からアドバイスを送り合い、時には笑い合いながらアイデアを膨らませていく姿を見ていると、このセミナーがただの「授業」ではなく、彼らにとって大切な「成長の場」になっていることを強く感じました。
最後の日:夢への一歩
最終日、セミナーが終了する際には、皆が自分の夢に向かって一歩踏み出す決意を新たにしていました。ある女性の受講生は、開店に向けて準備を進めている飲食店の事業計画を具体化し、自信に満ちた表情でこう言ってくれました。
「今まで漠然としていた自分の夢が、少しずつ形になってきました。このセミナーで学んだことを活かして、必ずお店を成功させたいです。」
彼女の目には、迷いが一切なく、強い決意が感じられました。私も、自分が創業した時のことを思い出しながら、彼女の成功を心から応援したいと思いました。
受講生から学んだこと
このセミナーを通じて、私自身も多くのことを学びました。特に印象に残ったのは、受講生たちが自分の夢に対して真摯に向き合い、どんな困難にも立ち向かおうとする姿勢です。創業にはリスクや不安がつきものですが、その中で希望を持ち続けることの大切さを、彼らは教えてくれました。
また、受講生同士の交流や協力が、彼らの成長に大きな影響を与えていることも実感しました。自分一人では気づけなかったことが、他者の意見を通して見えてくる。それが、夢を実現するための大きな力になるのだと、改めて感じました。
行政書士阿部隆昭