【超簡単家族信託】WEB講座シリーズ15回目は、前回に引き続き受託者が死亡した時の備えについてがテーマです。
受託者が人の場合には常に死亡による受託者交代の不安を抱えています。
その対策として一般社団法人を受託者にする方法を説明しました。
よくお問い合わせを頂くのですが、信託の受託者としてなぜ一般社団法人が最適なのでしょうか?
会社といえば、多くの方が株式会社を連想されます。
株式会社を信託の受託者とすると、何か不都合が生じるのでしょうか?
結論から言いますと、
信託の受託者とする場合には、株式会社ではなく、一般社団法人とすべきです。
その理由は、株式会社と一般社団法人との性質の違いなのです。
株式会社を受託者とした場合、株主であるオーナーが死亡した場合、株式の相続の問題になってしまいます。
相続財産である株式は、遺産分割の対象となり、場合にはよっては株式が相続人たちに分散して帰属するリスクが残されてしまうのです。
個人(法律用語で正確に言うと、「自然人」です)の相続リスク対策として法人を受託者としたのに、株式会社の代表者が死亡することで相続争いに巻き込まれる可能性が排除できず、信託受託者の地位が不安定になってしまうのです。
その点、一般社団法人は、株式会社の株式のように持ち分の概念がありません。
したがって、一般社団法人の代表者が死亡した場合には代表者を交代させるだけで信託受託者の地位は安定的に保たれるのです。
【超簡単家族信託】WEB講座シリー15回目のまとめ
信託の受託者を法人にする場合、株式会社ではなく、一般社団法人が最適。
次回、【超簡単家族信託】WEB講座シリーズ16回目は一般社団法人の基本的な説明をしておきましょう。
家族信託を利用してご家族の円満な財産承継スキームを考えるうえで一般社団法人の設立は一度は考える必要があります。
行政書士阿部総合事務所
行政書士阿部隆昭