この記事で使うデータについて
今回取り上げるのは、日本銀行調査統計局が毎月公表している「企業向けサービス価格指数(CSPI:Corporate Services Price Index)」です。
「物価指数」と聞くと、スーパーの食品や光熱費の話を思い浮かべる方が多いと思います。しかしCSPIが測っているのはそこではありません。企業が他の企業に対してサービスを提供・購入するときの価格、つまりBtoB取引のサービス価格を対象としています。

具体的には、次のようなサービスが含まれます。
- 労働者派遣・職業紹介サービス
- ソフトウェア開発・情報処理サービス
- 土木建築サービス・機械修理
- 法務・財務・会計サービス
- 道路貨物輸送・倉庫
- リース・レンタル など
これらはいずれも、ものづくり補助金やIT導入補助金などの「補助対象経費」として計上されうる外注・委託費用と重なっています。
消費者物価指数(CPI)は個人の生活コストを映しますが、CSPIは事業者が事業活動の中で支払うサービスコストの動向を映します。補助金を活用して外注や設備導入を検討している事業者にとって、CPIよりもCSPIのほうが実態に近い物価感覚を示す指標といえます。
指数は2020年平均を100として算出されており、現在の水準と過去の比較、前年比・前月比の変化を読むことができます。公表は毎月、日本銀行のウェブサイトで行われています。
はじめに
「外注費が思ったより高くなってしまった」「見積もりが去年と全然違う」——そんな声を、補助金申請の相談の中でよく聞くようになりました。
気のせいではありません。日本銀行が2026年5月27日に公表した「企業向けサービス価格指数(2026年4月速報)」によると、企業間で取引されるサービスの価格は前年比+3.0%と、上昇基調が続いています。
この数字が補助金申請とどう関係するのか。今回はその点を具体的に解説します。
2026年4月の結果:何が上がっているのか
今回の発表(2026年4月速報)の総平均は前年比+3.0%。指数は114.3(2020年平均=100)で、前月比でも+0.5%と上昇が続いています。
大類別で寄与度が大きかったのは以下の通りです。
- 諸サービス:+1.01ポイント(労働者派遣サービス、宿泊サービス、土木建築サービスなど)
- 運輸・郵便:+0.83ポイント(外航貨物輸送、道路貨物輸送など)
- 情報通信:+0.58ポイント(ソフトウェア開発、アクセスチャージなど)
補助金申請に直接関係しやすい項目の前年比を見ると、労働者派遣サービス+3.3%、ソフトウェア開発+2.6%、土木建築サービス+3.9%と、いずれも3%前後の上昇です。
補助金申請への実務的な影響
①「補助対象経費」の見積もりは最新単価で取る
補助金の申請では、外注費・専門家費用・設備導入に伴うシステム費用などを「補助対象経費」として計上します。しかしここ数年、これらのサービス価格は毎年3%前後上昇しています。
1〜2年前の相場感で見積もりを組むと、実際の調達コストとズレが生じ、採択後に予算が足りなくなるリスクがあります。申請時点の最新見積もりを必ず取得してください。
②「なぜこの金額が必要か」を統計で説明できる
特にものづくり補助金では、事業計画書の中で経費の必然性を説明することが求められます。「労働者派遣サービスが前年比+3.3%上昇している(日銀・2026年4月速報)」といった一次統計を根拠として使えば、審査員に対して説得力のある説明ができます。
③価格上昇が「補助金活用のニーズ」を高めている
外注コストが上がるほど、自社でまかなえる範囲が狭まります。これは逆に言えば、補助金を使って外注・設備投資を行う合理性が高まっているということです。「価格が上がっているから補助金は使わない」ではなく、「価格が上がっているからこそ補助金で対応する」という発想の転換が重要です。
まとめ
日銀の企業向けサービス価格指数(2026年4月)が示すのは、BtoB取引のサービスコストが前年比+3.0%で上昇し続けているという事実です。この流れは短期で収まるものではなく、補助金申請の実務においても「最新単価での見積もり取得」「価格上昇の統計的根拠の活用」が今後ますます重要になります。
補助金申請の見積もりや事業計画書の作成でお困りの方は、ご相談ください。
無料・3分で完了
補助金マッチング診断
自社に合う補助金をすぐ確認
補助金申請支援
補助金・助成金サポート
申請から採択まで行政書士がサポート
商談同席サービス
商談同席セカンドオピニオン
重要な商談に行政書士が同席・助言
出典:日本銀行調査統計局「企業向けサービス価格指数(2026年4月速報)」(2026年5月27日公表) https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cspi_release/sppi2604.pdf



