中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)の製品カテゴリPDFが、2026年7月16日に更新されました。更新版には、製造業向けの「レーザ加工機用PSA式窒素ガス供給システム」「精密板金向け自動タッピングマシン」「プラスチックペレット選別機」が掲載されています。
最初に確認したい注意点
公式の製品カテゴリPDFでは、3カテゴリとも2026年7月10日時点の登録製品数は0件です。製品カテゴリに掲載されたことと、すぐに選択・申請できる登録製品が公開されたことは同じではありません。今後、登録製品が公開された際は、製品名・型番・要件・価格などをあらためて公式カタログで確認する必要があります。
一方で、今回の3カテゴリは対象となり得る現場が明確です。精密板金、レーザ加工、制御盤・装置筐体、再生プラスチック、樹脂コンパウンド、射出・押出成形などの事業者にとっては、今のうちに作業時間や不良・交換作業の実態を整理しておく意味があります。
7月16日更新版で確認できる3つの製品カテゴリ
| 製品カテゴリ | 想定される主な事業者 | 省力化の中心 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|
| レーザ加工機用PSA式窒素ガス供給システム | 金属製品製造、精密板金、ステンレス・アルミ加工 | 圧力確認、残量確認、容器交換などの作業削減 | 1,300万円以上 |
| 精密板金向け自動タッピングマシン | 精密板金、産業機械部品、制御盤・装置筐体 | 工具設定、タップ加工、加工漏れ確認の削減 | 300万円以上 |
| プラスチックペレット選別機 | 樹脂成形・加工、再生樹脂、コンパウンド | 異物・異色・黒点などの目視選別の自動化 | 800万円以上 |
価格は公式資料に記載された目安であり、必要な純度・流量、処理能力、検出能力、周辺設備や設置工事などにより変わります。
1.レーザ加工機用PSA式窒素ガス供給システム
このシステムは、レーザ加工に使用する高純度窒素を工場内で供給するための設備です。エアコンプレッサ、PSA式窒素ガス発生装置、昇圧装置、ガスホルダーなどで構成されます。
導入余地がある業種・業態
- 精密板金加工会社
- ステンレス・アルミのレーザ加工会社
- 制御盤、配電盤、機械カバー、サーバーラックなどの筐体製造
- 自動車部品、産業機械部品、厨房設備などの金属製品製造
特に、ステンレスやアルミの切断で窒素を継続的に使い、ボンベや液化窒素の残量確認、発注、交換、圧力調整が日常業務になっている工場は検討余地があります。公式資料では、圧力や残量の確認、容器交換などの繰り返し作業を減らし、タッチパネルで集中監視できる点が省力化効果として示されています。
ただし、レーザ加工量が少ない、酸素切断が中心、必要な窒素純度・流量が設備仕様と合わない場合には、投資効果が出にくい可能性があります。現在の窒素使用量、年間費用、交換・発注に要する時間を先に確認します。
2.精密板金向け自動タッピングマシン
板金部品のねじ穴加工を自動化する設備です。装着した工具に応じた回転数の設定、必要なタップ数のカウント、加工漏れの防止などにより、段取りと確認の負担を減らします。
導入余地がある業種・業態
- 精密板金加工会社
- 制御盤・配電盤メーカー
- FA装置、半導体製造装置、通信機器の筐体製造
- 産業機械部品、医療機器部品、厨房機器部品の製造
筐体、ブラケット、制御盤部品、機械カバーなど、薄板に多数のねじ穴を加工する現場が中心です。多品種少量生産で工具交換や条件設定が頻繁に発生する会社、手作業の加工漏れ確認に時間を使っている会社、熟練者への依存を減らしたい会社は効果を整理しやすいでしょう。
導入検討では、月間のタップ加工数、1部品当たりの穴数、段取り回数、加工漏れ・手直し件数、担当者の作業時間を数値化すると、省力化効果を説明しやすくなります。
3.プラスチックペレット選別機
プラスチックペレットに混入した異物、異色粒、黒点、金属片、劣化粒などを光学方式や磁気方式で検出し、自動で除去する設備です。リサイクル工程、コンパウンド工程、射出成形前などでの利用が想定されています。
導入余地がある業種・業態
- 再生プラスチック・再生ペレット製造
- 樹脂コンパウンド、マスターバッチ製造
- 射出成形、押出成形、フィルム・容器製造
- 自動車、医療、光学、電子部品向けの樹脂成形
人が目視でペレットを選別している工場、再生材を扱う工場、異物混入や黒点が外観不良・クレームにつながりやすい工場で検討余地があります。省人化だけでなく、不良流出、廃棄、再検査、手直しの削減まで含めて現状を整理することが重要です。
最も導入余地が大きいのはどの事業者か
今回の3カテゴリは、一般的な事務作業向けの省力化設備ではありません。優先度を付けるなら、次の順で確認すると現実的です。
- レーザ加工機を保有する精密板金会社
窒素ガス供給とタップ加工の両方が課題になっている場合、最初の2カテゴリを同時に検討できます。 - 制御盤・装置筐体など、ねじ穴の多い板金製品メーカー
反復加工、段取り、加工漏れ確認の工数が大きい現場です。 - 再生プラスチック・樹脂コンパウンドメーカー
原料の品質ばらつきや目視選別がボトルネックになりやすい業態です。 - 品質要求の高い射出・押出成形会社
異物・異色・黒点による不良やクレームの影響が大きい現場です。
登録製品が公開される前に整理しておきたいこと
カタログ注文型では、対象カテゴリだけでなく、実際に登録された製品と申請要件を確認する必要があります。登録製品が出てから慌てないよう、次の情報を準備しておくと検討が進みます。
- 現在の工程と使用設備
- 省力化したい作業と、その作業にかかる人数・時間
- 窒素の使用量・購入費・交換時間、またはタップ加工数・段取り時間
- ペレット選別時間、不良・廃棄・クレームの発生状況
- 導入したい時期と概算予算
- 登録製品の型番、仕様、価格、設置条件
「設備が新しいから対象になる」のではなく、現状の作業がどのように減り、事業全体の生産性がどう改善するかを説明できる状態にすることが大切です。
公式情報の確認先
更新日、製品カテゴリPDF、登録製品の公開状況は、必ず中小企業省力化投資補助金事務局の最新ページで確認してください。
自社の設備投資に使える補助金を整理します
「この工程を自動化したい」「登録製品が出たら検討したい」という段階でも構いません。検討している設備、導入時期、予算、現在の作業負担をお知らせください。内容が具体的であるほど、確認と回答の精度が高まります。
※本記事は2026年7月17日時点で公開されている公式情報をもとに作成しています。補助対象、補助率、申請要件、登録製品の状況は変更されることがあります。申請時には必ず最新の公募要領・製品カタログ等をご確認ください。


