任意後見受任者となる資格には法律上の制限がありません。
様々な理由で、本人の親族がなる場合や、法律専門職や福祉関係の方がなる場合も多いです。
最近では、社会貢献を目的とした市民後見人養成制度も拡充され、それを目的としたNPO法人も設立されています。
ただし、任意後見受任者に「任意後見契約法第4条第1項第3号」に記載された不適格事由がある場合には、任意後見監督人が選任されず、結果的に任意後見契約の効力が発生しないということにもなってしまいます。
もちろん、当初の任意後見契約作成の段階で、上記の不適格事由が存在するか否かについて公証人の調査や説明がなされます。
したがって、任意後見契約に実効性を持たせるには、不適格事由に該当しない者を契約段階で選任しておく必要があります。
任意後見受任者としてお願いする人は、以下の不適格事由にあたらない人であって、かつ、本人が信頼をすることができる人、ということになるでしょう。
イ 民法第847条各号(第4号を除く。)に掲げる者
ロ 本人に対して訴訟をし、又はした者及びその配偶者並びに直系血族
ハ 不正な行為、著しい不行跡その他任意後見人の任務に適しない事由がある者
(参考)
第4条(任意後見監督人の選任)
任意後見契約が登記されている場合において、精神上の障害により本人の事理を弁識する能力が不十分な状況にあるときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族又は任意後見受任者の請求により、任意後見監督人を選任する。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 本人が未成年者であるとき。
二 本人が成年被後見人、被保佐人又は被補助人である場合において、当該本人に係る後見、保佐又は補助を継続することが本人の利益のため特に必要であると認めるとき。
三 任意後見受任者が次に掲げる者であるとき。
イ 民法(明治29年法律第89号)第847条各号(第4号を除く。)に掲げる者
ロ 本人に対して訴訟をし、又はした者及びその配偶者並びに直系血族
ハ 不正な行為、著しい不行跡その他任意後見人の任務に適しない事由がある者
民法第847条
次に掲げる者は、後見人となることができない。
一 未成年者
二 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人
三 破産者
四 被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族
五 行方の知れない者
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