こんにちは。
週末のスキマ時間でコツコツと。
週末相続トレーナーです。
『エンディングノートが争族対策として有効な3つの理由』
と題する記事がマイナビニュースにエントリーされています。
そこで指摘されている3つとは、「家族のマニュアルになる」、「相続争いの回避になる」、「遺言の難しさ」、となっています。
「家族のマニュアルになる」
残された家族にとってのマニュアルになる、という点はまったくそのとおりですね。
自分も経験しましたがエンディングノートさえ残されていたらどんなに楽だったかと実感しました。
「相続争いの回避になる」
相続争いの回避になるというためには、記載の仕方が大切です。
残念ながら、市販されているエンディングノートのほぼ全ては、予め決められている項目を埋めるだけの簡素なもの。
そこに何かを書いたからといって、相続争いが回避できる効果はとても期待できないのが実情です。
遺言にも、「付言事項」と言ってご本人の思いを記す項目があるにはあるのですが、基本的には家族への感謝の気持ちを書くところです。「遺産の分け方の理由」を書くのは現実的には困難です。
「現実的には困難です」というよりも、「付言事項」に遺産の分け方の理由を書いても全く問題ありませんし、書いている遺言書は多いです。
ただ、付言として書いたものは、あくまで「付言」
自分の死後に遺言書を読んだ方へのメッセージといった意味しかありません。
また、法律の専門家が遺言づくりにタッチする場合、法的には無意味で時として遺言の内容と矛盾するかもしれない付言事項には消極的なケースも多いのです。
付言が「法的に無意味」だからといって、法律専門家の中に付言に消極的なケースが多いといった事情はあるのでしょうか?
ちょっと疑問ですが。
むしろ、遺言の内容と矛盾する付言があるのだとしたら、付言が問題なのではなく、遺言の内容そのものに手をいれる必要があるケースだといえるでしょう。
さて。
エンディングノートが争続対策として有効な3つの理由の四番目。
といいますか、これは一番目ですね。
争いのタネがあっても、それを顕在化させない。
相続人が多いほど、すべての相続人が100%満足して相続手続きが終了するということはありません。
相続ではなくても、複数の人間が集まって何かを決めるときって、家庭でも会社でもそれぞれが少しずつ妥協しながら落とし所を探しませんか?
ココを主張し過ぎたら先に進まない、といった事情はぜったいにありますよね。
相続の場面でいいますと、相続人たちが妥協するのは本人の気持ちがわかったときなのです。
エンディングノートの機能にはたくさんのものがありますが、本人の死後に限定したものと考えてみますよ。
相続人たちが亡くなった母親のエンディングノートを見たときに、母親の歩んできた道がそこに書かれていたり、子どもたちがしてくれたことに対する感謝の気持ちが書かれていたり。
そういったことが書かれていると、そもそも争いを起こそうといった気持ち自体が和らいでくるのです。
だから、相続が争続になりにくいのです。
ところが、市販されていたり、無料配布されているエンディングノートには、それに応えるような内容になってはいません。
上記の記事のリンク先にある新潟県見附市が作成しているエンディングノートである「マイライフノート」を見ていただくと分かると思います。
※以下のリンクで無料ダウンロード可能です。
http://www.city.mitsuke.niigata.jp/secure/9402/my_life_note_all.pdf
もちろん、こちらのノートが良くないというのではありません。
しかし、自分の想いを書き綴る最後のノート、といった視点で考えたときにですよ、私、思うんですよ。
””これには書きたくな””、と。
本屋さんで売っている相続特集のムック本の付録にももちろん書きたくないですし、エンディングノートの書き方といった書籍の項目を埋めるだけでもイヤですね、正直。
せっかく書くのですから、自分だけのオリジナルノートが欲しい。
しかも、相続の対策になるような機能も持っていて欲しいし、相続人たちが見たときに自分の想いの過程も表現できる。
そんなノートを作りたいと思って実践しているのが『週末相続ノート』です。
エンディングノートの機能を持たせてはいますが、従来のエンディングノートではありません。