ファイナンシャルプランニング業務の中で、ライフプランニング表の作成といったものがあります。
自分と家族についてこれから起きるであろう人生の出来事をグラフを使って分かりやすく表にする作業です。
そもそも、ライフプランニングとはいいますが、訳すと「人生設計」
そう!、ライフプランニング表を作成するということは、先の見えない人生を分かりやすく見通してみましょう。
そういうことなのです。
実はこれが簡単なようでいて意外に難しい。
いや、簡単かもしれない。
ファイナンシャルプランナーにお願いすれば比較的短時間で作成できるのですが、自分でライフプランを練るのは大変です。
多くの方が、途中で断念しています。
ファイナンシャルプランニングの世界では「ライフイベント」と言ったりしますが、お子さんがいる家庭でしたら入学、卒業を何度か繰り返し、社会人になるといった家族に起きる出来事のこと。
結婚して家を出て行けば、毎月の食費は若干ですが減ることになります。
車を持っている人でしたら、数年おきに新型に買い換えることが出来るのか?、家計収支上は無理そうなのか?
そういったライフイベントと家計収支の関連性を作り上げていくのがライフプランニングです。
ライフプランニング表の作成をファイナンシャルプランナーに依頼する以上、家計の収支状況や家族の状況をある程度、ライフプランニング表の作成資料として必要十分なものを提供する必要があります。
ところが、これは、かなりプライベートな事柄なので実際のところ二の足を踏まれる方が多いのです。
もしも、ご自分でライフプランニングをしてみようと思ったら、最初は家計の収支を確定することからはじめて下さい。
複雑になるのでライフイベントはこの際気にしないことにします。
サラリーマンの方でした、定年までの期間を逆算し、定年退職後の数年間はアルバイト収入があったとして、その後は年金の給付が始まり、といった感覚で収入面はある程度確定できると思います。
支出については、ライフイベントの要素を若干加味していただいて。
お子さんがいる方は、ある年齢の時期から教育費をまるごとカットしてしまう。
食費、光熱費など生活を維持するのに必要な支出額はほぼこれまでと同じと考えます。
要するに、毎月いくらお財布から無くなっているかを計算する。
ほんとにザッとで構いません。
最初にキッチリやると、途中でやりたくなくなってしまいますので。
これをするだけで、これからの人生の”お金まわり”の整理がなんとなく出来るのです。
こんな不正確な作業してなんの意味があるの?と思われる方もいらっしゃると思います。
何事も助走が肝心。
ざっくりと始めることは、何もしないことより100万倍イイ。
つまり、慣らし運転、アイドリング。
しっかりとアクセルを踏み出すには誰でも簡単にすることが出来る「助走」が必要なのです。
事実、この作業をしたことにより、より正確なライフプランニング表をご自身で作成した方が何名もいらっしゃいます。
ざっくりとしたものを作りますよね。
やっぱりこれでは「雑」過ぎるなあと思われるわけです。
ライフイベントもシッカリ考えたものを作らないと、と。
シッカリとしたライフプランニング表を作るのは、一般の方にとっては大変かもしれないと先ほど申し上げました。
でもですよ、「ざっくり版」とはいえ、一度作ってみた、考えてみた経験があります。
だから意外にサクサクと作れてしまうんです。
なんとなく頭の中で人生設計をするのと、紙に起こして人生設計を可視化するのとは全く違う
これは実際にライフプランニング表を作成された多くの方がおっしゃる真実の言葉です。
目に見えるカタチにするって実はとっても大事なんですね。
私が今取り組んでいる『週末相続ノート』でも、その思いは込められています。
このブログ全体のタイトルの言葉である「不安は見えれば怖くない」も同じです。
不安は見えないから不安、分からないから不安なんです。
”暗闇の中に動く白い影”、見えないからオバケかなって思いますが、よく見てみれば白い猫だったりします。
相続の問題についても、そうですね。
フタを開けると何が出てくるか分からない。
だからそのままにしておく。
”いざとなったら状況は悪化していた。あのときちゃんと対策を執っていればこのようなことにならなかったのに”
そういったことにならないためには日頃からコツコツを細かい準備をすることが大切。
先ほどの「ざっくり版」を作って準備するのと同じなのです。
最初から完璧なものを作ろうと思うと、いつまでたっても作り始めることがないのが私たちです。
つい、”ちゃんと調べてから”とか、”落ち着いた時間が取れたときから”なんて思って先延ばしにしてしまいがちです。
相続やエンディングノートについて「ざっくり版」からスタートするのには『週末相続ノート』をお勧めします。
多くの方にノウハウをお伝えしたいと考え、Amazonにある二つの電子書籍のプランのうち一つの最低額で出版しています。
これも相続など家族関係で悩みを抱えている方のために役に立つことがないかと考えたためです。
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