行政書士阿部総合事務所

認定経営革新等支援機関(中小企業庁)

【実録】省力化補助金の申請書類で詰まった3つのポイント〜書類作成・数値編〜

May 16, 2026
約 6 分
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行政書士阿部総合事務所 行政書士 阿部隆昭


中小企業省力化投資補助金(一般型)第6回の申請支援を行った際、書類作成・数値入力の場面で実際に起きたミスや詰まりポイントをご紹介します。

「書類の内容は合っているはずなのに、なぜか数値が合わない」「文字数制限を超えてしまった」——書類作成は一見シンプルに見えて、細かい落とし穴が多くあります。今回はその中でも特に注意が必要な3点をご紹介します。


その1:「給与支給総額の従業員数」は全従業員数ではない

よくある状況

事業計画書(その3)や電子申請システム❼の画面に「従業員1人当たり給与支給総額」を入力する欄があります。この欄に入力すべき従業員数について、多くの申請者が「在籍している従業員の総数」を入れてしまいます。

しかし正しい定義は**「直近の決算期において、全月分の給与等の支給を受けた従業員数」**です。

2種類の従業員数の違い

種類定義
常勤従業員数申請時点で在籍している従業員の総数55名
給与支給総額の従業員数直近決算期の全月分(12か月)給与を受け取った従業員のみ49名

途中入社・途中退職・長期休職などがあった従業員は「給与支給総額の従業員数」から除外します。この2つは同じ画面に並んで登場するため混同しやすく、どちらに何名を入力するか注意が必要です。

なぜこれが重要なのか

1人当たり給与支給総額は「給与支給総額 ÷ 従業員数」で計算されます。ここで従業員数を55名と49名で間違えると、基準値・目標値・年平均成長率がすべてずれます。申請システムが自動計算するため、入力値が違えば成長率の要件(3.5%以上)を達成できているかどうかの判定も変わってしまいます。

確認方法

【指定様式】1人当たり給与支給総額に係る確認書(Excel)の「全月分の給与等の支給を受けた従業員数」欄の数字を、そのまま申請システムに転記してください。この書類に記載の数字が正しい数字です。


その2:事業計画名は30文字・概要は100文字の制限がある

よくある状況

事業計画書(その1・その2)に記載した事業計画名や概要を、電子申請システム❺の画面にそのままコピーしようとしたところ、文字数オーバーでエラーになるケースがあります。

実際に今回の申請でも、事業計画書に記載していた計画名が36文字あり、システムの上限(30文字)を超えていました。

制限と対処法

項目文字数制限よくある失敗
事業計画名30文字以内内容を盛り込みすぎて超過
事業計画の概要100文字以内事業計画書の文章をそのままコピーして超過

重要:システム入力値と添付書類は必ず一致させる

ここで多くの申請者が見落としがちなのが、システムに入力した事業計画名・概要と、添付する事業計画書(その1・その2)の記載内容を一致させなければならないという点です。

システム入力に合わせて計画名を短縮した場合は、事業計画書のWord・PDFファイルも同じ名称に修正して再提出する必要があります。片方だけ直して終わりにすると、審査担当者が確認した際に不一致が発生します。

対処法

事業計画書を作成する段階から、事業計画名は30文字以内・概要は100文字以内に収まるよう意識して作成することをお勧めします。後から削ると内容が変わってしまい、書類間の整合を取り直す手間が発生します。


その3:事業計画書(その3)の算定根拠テキストは手動入力——数値の整合性に注意

よくある状況

事業計画書(その3)はExcel形式の指定様式で、多くの数値セルは数式や参照で自動計算されます。ところが「算定根拠」を記述するテキスト欄だけは手動入力です。

この手動入力欄に書いた数字が、他のセルの自動計算値や申請システムへの入力値と食い違ってしまうケースがあります。

実際に起きたミス

今回の申請では、「①付加価値額」の算定根拠テキスト欄と「③1人当たり給与支給総額」の算定根拠テキスト欄で、従業員数と金額の記載が実際の数値と異なっていました。

具体的には:

箇所誤った記載正しい記載
③算定根拠テキスト209,541,454円 ÷ 55名187,098,252円 ÷ 49名

参考書式シートの数式は正しく49名・187,098,252円で計算されていましたが、テキスト欄だけが別の数値になっていました。

なぜ起きるのか

事業計画書を複数回修正していく過程で、数式セルは自動更新されますが、手動入力のテキスト欄は更新されません。最終確認の際に「数式セルは正しいからOK」と判断してしまうと、テキスト欄のミスが見落とされます。

対処法

提出前に算定根拠テキスト欄の数値を、以下と照合して1つずつ確認してください。

  • 【指定様式】1人当たり給与支給総額に係る確認書の数値
  • 申請システム❼事業計画数値の入力値
  • 事業計画書(その1・その2)の数値

弊所では提出前にこの3点照合を必ず行っています。


まとめ:書類作成・数値で気をつける3点

ポイント対処法
給与支給総額の従業員数は「全月分受給者」のみ確認書の数字をそのまま転記する
計画名30文字・概要100文字の制限作成段階から文字数を意識する。修正したら書類間も揃える
その3の算定根拠テキストは手動入力提出前に3点照合(確認書・システム・事業計画書)を行う

書類の数値は1か所直せばすべて連動するわけではありません。手動入力箇所・参照セル・添付書類の3つが常に一致しているかを確認する習慣が重要です。

弊所では書類作成から数値の整合確認・提出まで一貫してサポートしています。省力化補助金の申請をご検討の方は、ご相談ください。


シリーズ一覧

  • ①電子申請システム操作編(公開済み)
  • ②書類作成・数値編(本記事)
  • ③書類準備・PDF編(近日公開)
  • ④加点項目編(近日公開)



行政書士阿部隆昭

行政書士行政書士阿部隆昭
創業支援と資金調達に強い東京都北区赤羽の行政書士阿部隆昭。
事業計画書作成支援、創業融資申請サポート、補助金助成金申請、契約書作成、ビザ申請など、中小企業支援業務をメインに業務を行なっています。
業務経験20年の知見をフル活用し、クライアント様の事業運営をサポートします。

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