2026年9月8日更新|第20回公募要領第8版対応
賃金引上げ特例を使えば、通常枠50万円に150万円を上乗せできます。しかし、第20回で先に見るべきなのは上限額ではありません。従業員1人当たり給与支給総額を、連続する12か月で比較し、年平均3.0%以上の増加を実現できるかです。
ここを「時給を上げればよい」と理解すると、採択後に要件を満たせず、補助金全体が交付されないおそれがあります。本記事では、第19回から何が変わり、申請前にどの数字と資料を確認すべきかを整理します。
第19回と第20回では、確認する数字が違う
| 区分 | 第19回 | 第20回 |
|---|---|---|
| 賃金引上げ特例 | 事業場内最低賃金を申請時より50円以上引上げ | 従業員1人当たり給与支給総額の年平均増加率3.0%以上 |
| 賃金引上げ加点 | 事業場内最低賃金を申請時より30円以上引上げ | 従業員1人当たり給与支給総額の年平均増加率2.0%以上 |
| 考え方 | 最低賃金者の時給を確認 | 会社全体の給与総額と従業員数を12か月で確認 |
第20回では、給料、賃金、残業代、賞与を含む給与支給総額を使います。福利厚生費、法定福利費、退職金は含みません。「基本給を3%上げた」だけでは判定できず、対象期間の支給総額と人数を月ごとに追える状態が必要です。
比較するのは、一時点ではなく12か月
比較対象は、補助事業実施期限日を終点とする連続12か月と、その前年同月から始まる連続12か月です。繁忙期の残業、賞与、採用・退職、休職、勤務時間の変更があると、1人当たり給与支給総額は動きます。
- 比較する両期間に従業員がいるか
- 24か月分の賃金台帳を月ごとに確認できるか
- 給与支給総額に含める項目を同じ基準で集計できるか
- 採用・退職による人数変動を説明できるか
- 3.0%の計画に無理がなく、実際に支給できるか
上限200万円ではなく「実行できるか」で決める
| 区分 | 補助上限 |
|---|---|
| 通常枠 | 50万円 |
| インボイス特例 | 50万円を上乗せ |
| 賃金引上げ特例 | 150万円を上乗せ |
| 両特例 | 合計200万円を上乗せ |
賃金引上げ特例は、申請時に宣言すれば上限が増えるだけの制度ではありません。公募要領が定める要件を満たせない場合、上乗せ部分だけでなく、補助金全体が交付されない扱いです。赤字事業者の補助率3/4も、特例の実行可能性を確認したうえで検討します。
申請前のGO/NO-GO
| 判断 | 状態 |
|---|---|
| GO | 24か月の賃金資料がそろい、人数変動を反映しても3.0%以上を実行できる |
| 条件付きGO | 資料はあるが、賞与・残業・採用計画を含めた試算が未了 |
| NO-GO | 比較期間のどちらかに従業員がいない、または3.0%を実行する資金計画がない |
上限額を大きく見せるために特例を選ぶのではなく、賃上げ後も事業を継続できるかまで見ます。補助金のために無理な人件費計画を置けば、本来の販路開拓まで弱くなります。
準備する資料
- 対象期間の賃金台帳
- 労働条件通知書または雇用契約書
- 給与支給総額の月別集計
- 月ごとの従業員数と入退社日
- 賃上げ実施時期と給与規程・社内決定資料
- 賃上げ後の資金繰りと売上計画
持続化補助金第20回の対象、経費、様式4、申請順序は、第20回完全ガイドで確認できます。
特例を選ぶ前に、24か月の数字を確認します
従業員数、月別給与支給総額、入退社、賃上げ予定、申請予定経費をご記入ください。特例を使う場合と使わない場合を分けて確認します。
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