いざ、そうなった時に慌てるよりも今のうちに知っておきたいのが形見分けのマナー
財産の価額が少額である形見分け財産なので、事を荒立てるようなトラブルになることは少ないのですが、家族・親族の間に微妙なしこりを残す結果にもなりますので注意したいのですね。
私の母が亡くなったときの実体験と、高齢者が参加した地域ささえあい活動でのヒアリングの結果を元に形見分けでトラブルにならないマナーをお伝えしますね。
1.形見分けでトラブルにならないための「時期」
形見分けを始める時期に気をつけるのがトラブル防止の大切なポイントです。多く方の一致した意見が四十九日法要の際、もしくは四十九日法要の後に形見分けを行っています。
というのも、Aさんに腕時計を形見分けをして欲しいという意向が予めエンディングノートなどに書かれているのであれば形見分けはいつ行っても問題ありません。しかし、他の親戚の手前上、四十九日法要で皆さんが集まった機会を捉えて、同時に形見分けの機会を与えるのがもっともトラブルが少なくなります。
形見分けの時期は、四十九日法要、もしくは四十九日法要の後に行いましょう。
2.形見分けでトラブルにならないための「相手」の選び方
遺された家族が判断にもっとも困るのが形見分けの相手です。エンディングノート等で形見分けの相手を指定してくれれば家族の気がかりは少なくなります。エンディングノートにこう書かれているから、という理由付けが出来るので他の親戚の納得も得やすいです。形見分けの相手が決まっていないときには、遺された家族の中の年長者に決めてもらうほかはありません。
故人から見て年長者にあたる相手には形見分けをするのはマナー違反
と言われることがありますが、体験上、そのような都市伝説は信じる必要はございません。私の母は8人兄妹でしたが、故人が譲りたいモノ、譲りたい相手、そこに対する気持ちは尊重したいと思いました。目上に当たる人だから失礼になる、といったことは考える必要がないでしょう。といっても、形見分けを貰った方の気持ちも考える必要があるのは目上、目下にかぎらず必要になるのはもちろんですよね。普通の物ではなく、形見分けとしてもらうので、貰った人からすると捨てるに捨てられない、といった気持ちにさせるのは可哀想です。
3.形見分けでトラブルにならないための形見分けの「方法」
これは本当に注意してくださいね。トラブルの発端になります。具体的に書いたほうが分かりやすいですね。
例えば、腕時計。形見分け財産として最も多いです。腕時計は肌に直接身に付けるものですし、細かい部品が集まって作られているので、部品のすき間に汚れがついていることがあります。使っている本人には全く気にならなくても、他人が見たときに、”汚れているモノ”という気持ちを持たれないようにキレイにしてから渡すのが形見分けの大切なマナーです。
万年筆にしても、貴金属にしても同じことが言えますね。
オーバーホールまでする必要はありませんが、最低限、拭き掃除ぐらいはしてから形見分けをするようにしましょう。
形見分けでトラブルにならないマナー、時期・相手・方法 まとめ
1.時期 四十九日法要のとき、又は四十九日法要の後
2.相手 故人の指定がない場合には遺された家族の長の判断で。目上の人に形見分けをしても失礼には当たらない。
3.方法 キレイに掃除してから渡す。
以上が、形見分けでトラブルにならないためのマナーです。
相続問題解決コンサルタント行政書士としてのアドバイスとしては、常識の範囲を超える額の財産を形見分けとする場合には遺産分け(遺産分割協議)の対象財産となることもあるので注意が必要です。
・どうしても欲しい形見分け財産がある
・形見分けでトラブルを防ぐには?
・実家の父がもうすぐ亡くなりそうなので遺産分割協議のコツを知りたい
といった不安や希望がある方は国会資格者である行政書士阿部総合事務所にご相談ください。