
公開日:2026年4月17日|行政書士阿部総合事務所
2026年度以降、中小企業の設備投資支援の2大制度が一つになります。
「ものづくり補助金」と「新事業進出補助金」が統合され、「新事業進出・ものづくり補助金(仮称)」として再編される予定であることが、中小企業庁より示されています。
この記事では、統合の概要と、申請を検討している事業者が知っておくべきポイントを整理します。
そもそも2つの制度はどう違ったのか
まず前提として、2つの制度の違いを整理します。
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者が革新的な製品・サービスの開発や、生産プロセスの改善に必要な設備投資を支援する制度です。2012年の開始以来、年間を通じて複数回の公募が行われてきました。補助上限は最大2,500万円(賃上げ加算で最大3,500万円)、補助率は原則1/2(小規模事業者は2/3)です。
新事業進出補助金は、既存事業で培ったノウハウを活かして、既存事業とは異なる新市場や高付加価値事業への進出を支援する制度です。単に新製品・新サービスを開発するだけでなく、顧客層やビジネスモデルそのものの転換を伴う事業展開を対象としていました。
この2つが、2026年度以降に一つの制度として再編されます。
統合後の制度の概要
現時点で公表されている情報によると、統合後の制度は以下の3つの申請枠で構成される見込みです。
ものづくり枠
従来のものづくり補助金に相当する枠です。革新的な製品・サービスの開発や、生産性向上のための設備投資を支援します。
新事業進出枠
従来の新事業進出補助金に相当する枠です。既存事業とは異なる新市場への進出や、高付加価値事業への転換を支援します。
グローバル枠
海外展開・輸出体制強化のための設備投資を支援します。統合後はこの枠の補助上限額が大幅に引き上げられる点が注目されています。
補助上限額・補助率については、各枠とも従来制度と同水準をベースに設計される見通しです。
申請者にとって何が変わるのか
統合によって申請者が注意すべき変化は、主に以下の点です。
「どちらの枠で申請するか」の判断が必要になる
これまでは2つの制度が別々に運用されていたため、「ものづくり補助金で申請するか、新事業進出補助金で申請するか」という選択自体が明確でした。
統合後は一つの制度の中に複数の枠が設けられるため、自社の事業計画がどの枠の要件に合致するかを判断する必要があります。
特に、「既存事業の延長線上で新製品を開発したいのか」「それとも全く新しい市場に進出したいのか」という事業の方向性によって、適切な枠が変わります。この判断を誤ると、事業計画書の内容と申請枠がずれて不採択になるリスクがあります。
公募要領が刷新される
制度が統合されることで、公募要領そのものが大きく変わります。過去の公募要領の経験則がそのまま通用しない可能性があります。
特に、「革新性」の定義や審査基準が変わる可能性があります。新制度の公募要領が公開された際には、必ず最新版を一から確認することが必要です。
何が変わらないのか
一方で、本質的に変わらない部分もあります。
「事業が先にあること」が採択の前提であること
補助金ありきで事業を考えた計画書が不採択になるという傾向は、制度が統合されても変わりません。「この事業は補助金がなくてもやる」という意思と根拠が、事業計画の核心であることは変わらないと見ています。
数値目標の達成義務があること
付加価値額の年平均成長率+3.0%以上、1人あたり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上という基本的な数値目標は、統合後も同水準で維持される見込みです。未達の場合の補助金返還義務という仕組みも継続する可能性が高いです。
電子申請(Jグランツ)であること
申請方法がJグランツによる電子申請であること、GビズIDが必要であることも変わりません。
今からやるべきこと
制度統合の詳細はまだ確定していませんが、今からできる準備があります。
事業計画を「枠に当てはめる前」に固める
どの枠で申請するかは公募要領が出てから判断できます。それより先に「何をやるか」「なぜ今やるか」「いくらかかるか」「何がどう変わるか」という事業計画の核心部分を固めておくことが、どの枠でも通用する準備になります。
GビズIDを準備する
Jグランツを使った電子申請にはGビズIDプライムが必要です。取得に数週間かかる場合があります。まだ持っていない方は今すぐ手続きを始めてください。
公募要領の公開を見逃さない
新制度の公募要領が公開されるタイミングで素早く動けるかどうかが、採択に向けた準備の差になります。中小企業庁のサイトやものづくり補助金総合サイトを定期的に確認してください。
統合後の制度について相談したい方へ
「自社の事業計画はどの枠で申請すべきか」「統合後の新制度で採択されるためには何を準備すればいいか」といったご相談に対応しています。
まずは補助金適合診断(無料)で現状を確認してください。
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