
公開日:2026年4月17日|行政書士阿部総合事務所
ものづくり補助金の申請を検討しているが、「本当に採択されるのか」と不安に感じている方は多いと思います。
この記事では、採択率の実態と、落ちる事業計画書に共通して見られるパターンを、補助金申請支援の現場から正直にお伝えします。
ものづくり補助金23次の採択率
直近の公募回次における採択率は、おおむね30〜50%台で推移しています。
コロナ禍の時期は採択率が60%台に達していた回もありましたが、その後は低下傾向にあります。
つまり、申請者の半数以上が不採択になっている回もある、というのが現実です。
「申請すれば通る」という補助金ではありません。
落ちる事業計画書の3つの共通点
私は補助金申請支援の現場で、採択された計画書と落ちた計画書の両方を見てきました。不採択になる計画書には、以下の3つのパターンが共通して見られます。
1. 補助金ありきの事業計画
最も多いパターンです。
「補助金があるから、この設備を導入しよう」という発想で書かれた計画書です。
審査官は何百件もの計画書を読んでいます。「この事業者は補助金がなければやらないのでは」という印象を与える計画書は、評価が下がります。
採択される計画書は必ず、「この事業は補助金があってもなくても進める。補助金はその加速に使う」という構造になっています。
事業の必要性と必然性が、補助金とは独立して説明されているかどうか。これが最初の分岐点です。
2. 文字だけで構成された計画書
20〜30ページの事業計画書が、ひたすら文字だけで埋められているものがあります。
審査官の立場で考えてください。何百件もの計画書を読む中で、図や表や数字がなく、文字だけが並んでいる計画書を読み続けることは困難です。
「読まれない計画書は評価されない」というのが現実です。
市場規模は数字で。競合との比較は表で。投資対効果は図で。伝えるべき内容に応じて、視覚的に整理することが必要です。
ただし、図を入れれば良いというわけではありません。「なぜその図がここにあるのか」というロジックが伴っていなければ、図を入れても意味がありません。
3. 計画全体の整合性が取れていない
事業計画書の各項目に書いてある内容と、数値計画のシートに記載されている数字が矛盾している。
投資額が変わっているのに、売上計画が変わっていない。人員計画と人件費が合っていない。
こういった不整合が残っている計画書は、審査の過程で「この計画は本当に実現できるのか」という疑念を生みます。
事業計画書は、最終的に一つの「物語」として整合していなければなりません。各項目の数字と文章が、全体を通じて矛盾なく繋がっているかどうか。これを確認する作業が、申請準備の最終段階で最も重要です。
採択される計画書の条件
落ちる計画書の共通点の裏返しですが、採択される計画書には以下の特徴があります。
事業の出口から逆算している
「この投資によって何が変わり、3年後に売上がいくらになるか」という出口が先に決まっていて、そこから逆算して計画が組まれています。目標数値が先にあり、そこに向けた施策が具体的に書かれている。
費用感まで固まっている
「大体100万円くらいかかる」ではなく、見積書を取得して具体的な金額が決まっている。対象経費として認められるかどうかの確認も済んでいる。
自分の言葉で語れる
計画書に書いてあることを、口頭で説明できる。審査官に「この部分を詳しく教えてください」と言われたときに、計画書以上の情報を自分の言葉で語れる。
公募要領には「事業者自らが検討しているような記載が見られない場合、評価に関わらず不採択・交付決定取消となる」という記載があります。AIで生成した文章をそのまま貼り付けた計画書や、支援者に丸投げして書いてもらった計画書が問題になるのは、この条件に抵触する可能性があるためです。
「通る計画書」を作るための視点
私が補助金申請支援の現場で最も意識していることは、「審査官の頭にクエスチョンマークを浮かばせないこと」です。
専門用語が説明なく使われている。数字が他のシートと矛盾している。「なぜこの投資が必要か」のロジックが飛躍している。
こういった問題は、書いた本人には見えません。自分の言葉で書いているから、当たり前に読めてしまう。
採択を目指すなら、書き終わった計画書を「審査官の目線」で読み直す作業が不可欠です。「この表現は、業界を知らない審査官でも理解できるか」という問いを、計画書全体に対してかけていく。
これが、採択に向けた最後の詰めの作業です。
ものづくり補助金23次の申請を検討している方へ
23次の締切「2026年5月8日(17:00)」です。
採択の可能性があるかどうか、現在の状況で申請に進むべきかどうかを確認したい方は、以下の補助金適合診断をご利用ください。
個別の事業内容について相談したい場合は、こちらからご連絡ください。
行政書士阿部総合事務所 認定経営革新等支援機関|東京都地域創業アドバイザー 補助金申請支援実績75件 https://abeoffice.net/


