
公開日:2026年4月18日|行政書士阿部総合事務所
ものづくり補助金に採択されました。おめでとうございます。
ただし、採択はゴールではありません。採択通知が届いてから実際に補助金が振り込まれるまでには、複数の手続きが必要です。そのどれかを誤ると、最悪の場合、補助金が受け取れなくなります。
この記事では、採択後の全手順を順番に整理します。
採択後の流れ:全体像
採択から補助金受取りまでの流れは以下の通りです。
それぞれの内容と注意点を説明します。
① 交付申請
採択通知を受け取ったら、最初にやることは交付申請です。
交付申請とは、採択された事業計画の内容を改めて事務局に確認してもらい、補助金の交付を正式に決定してもらう手続きです。Jグランツから電子申請で行います。
交付申請で必要なもの(主なもの)
- 申請内容ファイル(事務局のサイトからダウンロード)
- 見積書(補助対象経費ごと)
- 決算書等
交付申請に明確な締め切りはありませんが、採択後できるだけ早く行うことが重要です。交付決定が出るまで補助事業を開始できないため、交付申請が遅れるほど事業実施期間が短くなります。
目安として、採択発表から2ヶ月以内に交付申請を完了させることを意識してください。
② 交付決定が出るまで発注してはいけない
最も重要な注意点です。
交付決定通知書が届くまで、補助事業に関わる発注・契約・支払いを一切行ってはいけません。
交付決定前に発注・支払いをした経費は、補助対象外になります。「採択されたから大丈夫だろう」と先走って設備を発注してしまうケースが実際にあります。採択と交付決定は別物です。
③ 補助事業の実施
交付決定通知書が届いたら、補助事業を開始できます。
発注→納品→検収→支払い、という流れで進めます。この全工程を補助事業実施期間内に完了させる必要があります。
補助事業実施期間は通常、交付決定日から10ヶ月程度です。期間内に完了できなかった場合は交付決定が取り消されます。
経費管理の注意点
- 補助事業専用の通帳・帳簿を整理しておく
- 発注書・納品書・請求書・領収書・振込明細をすべて保存する
- 設備の設置前・設置後の写真を撮影しておく(実績報告で必要)
④ 遂行状況報告
補助事業実施期間の中間で、事務局から遂行状況報告の提出を求められる場合があります。
提出期限は交付決定日から起算して4ヶ月後の15日が目安です。スケジュールの遅れや計画変更がある場合はこの時点で報告します。
⑤ 実績報告
補助事業が完了したら、実績報告を提出します。
実績報告は補助金額を確定するための手続きです。Jグランツから提出します。
実績報告で必要な主な書類
- 実績報告書(様式第6)
- 経費明細表
- 費目別支出明細書
- 経理書類一式(発注書・納品書・請求書・領収書・振込明細)
- 設備の設置前・設置後の写真
実績報告書の「実施した補助事業の具体的内容とその成果」は特に重要です。抽象的な記載では差し戻しになります。数値・写真・グラフを使って具体的に記載してください。
提出期限は「補助事業の完了日から30日以内」または「補助事業完了期限日」のうち早い方です。
⑥ 確定検査と補助金の入金
実績報告を提出すると、事務局が書類を審査し、必要に応じて事業実施場所を訪問して確定検査を行います。
確定検査が完了し、補助金額が確定すると補助金確定通知書が届きます。その後、Jグランツから精算払請求書を提出することで補助金が指定口座に振り込まれます。
採択発表から補助金入金まで、通常1年半〜2年程度かかります。
補助金受取り後も続く義務
補助金を受け取った後も、事業化状況報告という義務があります。
補助事業完了後5年間、毎年の売上や雇用状況を報告する必要があります。また、補助金の交付を受けた設備・システムは、補助事業の目的外で使用することができません。
賃上げ目標を達成できなかった場合は、補助金の一部返還が求められることもあります。
採択後の手続きで困ったら
交付申請・実績報告の手続きは複雑で、書類の不備で差し戻しになるケースが少なくありません。
当事務所では、採択後の手続きサポートにも対応しています。
関連記事 → ものづくり補助金23次、締切まで3週間。今から間に合うか? → ものづくり補助金23次の採択率と、落ちる事業計画書の共通点
行政書士阿部総合事務所 認定経営革新等支援機関|東京都地域創業アドバイザー 補助金申請支援実績75件 https://abeoffice.net/




