公開日:2025年3月27日 更新:2026年4月|行政書士阿部総合事務所
ものづくり補助金でCTや超音波を導入した。それで終わりではありません。
補助金申請のサポートをしていて感じることがあります。設備を入れることに集中するあまり、「入れた後に誰に、どう知らせるか」を考えていない病院が多い。
機器は入った。でも患者は増えていない——これは補助金支援の現場でよく聞く話です。
この記事では、設備投資をした動物病院が次にやるべきマーケティングの優先順位を整理します。
前提:飼い主はどこで動物病院を探しているか
マーケティングの施策を考える前に、現実を確認します。
今の飼い主のほとんどは、新しい動物病院を探すときにGoogleで検索するか、知人に聞くかのどちらかです。
「犬 動物病院 〇〇区」という検索で上位に出てくる病院、またはGoogleマップのレビューが多い病院が選ばれやすい。チラシやポスターの効果は限定的になっています。
もう一点。飼い主が動物病院を変える(または新規で探す)タイミングは、ペットが病気になったときだけではありません。引っ越し、ペットを新たに迎えた、かかりつけ医の対応に不満を持った——これらのタイミングで検索が起きます。
つまり、「検索されたときに見つかる状態を作っておくこと」が最初の仕事です。
CT・超音波を入れた病院がまずやるべきこと
① Googleビジネスプロフィールに反映する
新しい設備を導入したら、Googleビジネスプロフィールの説明文・写真を更新してください。
「CTスキャン対応」「デジタルX線完備」という情報は、飼い主が比較検討するときの重要な判断材料です。設備の写真も掲載しましょう。導入したばかりの新しい機器の写真は、病院への信頼感を高めます。
あわせて、Googleのレビュー(口コミ)件数を増やすことが最優先のSEO対策です。件数と評価が高い病院は、地図検索(いわゆるMEO)で上位に表示されやすくなります。
口コミを増やす現実的な方法は一つ:来院した飼い主に、その場でお願いすることです。 「Googleにレビューを書いていただけますか」と伝えるだけで、一定割合の飼い主が書いてくれます。URLを短縮してQRコード化し、受付に置いておくと効果的です。
② ホームページ・ブログで「何ができるか」を書く
設備を入れた後のホームページで最も重要な更新は、「この病院で何ができるようになったか」を分かりやすく書くことです。
「CTスキャンを導入しました」という告知ではなく、「これまで他院に紹介していた腹腔内の診断が、当院で完結できるようになりました」という文脈で書く。飼い主は設備の名前より、「この病院に来れば何が解決するか」を知りたいからです。
ブログでは「〇〇という症状はCTで何が分かるのか」「エコー検査でどんな病気が見つかるのか」といった飼い主の疑問に答える記事が検索流入につながります。
③ 紹介ネットワークを作る
設備投資をした病院が、周辺の動物病院・ペットショップ・ブリーダーと連携することで、紹介案件が生まれます。
「二次診療まで対応できる地域の病院」というポジションを作れれば、他院からの紹介という安定した流入ができます。特にCTを持っていない近隣病院にとって、CT診断を依頼できる病院は貴重な連携先です。
設備投資とマーケティングの費用を同時に手当てする方法
ものづくり補助金で機器を導入した後、マーケティング費用が不足するケースがあります。
ここで活用できる別の制度として、小規模事業者持続化補助金があります。
持続化補助金は、ホームページ制作・チラシ作成・広告費など、販路開拓・集客のための費用が補助対象です。上限は50〜200万円(申請枠によって異なる)、補助率は2/3です。
ものづくり補助金で設備を入れて、持続化補助金でウェブサイトを強化する——この組み合わせは実際に使えます。ただし同時申請・採択はできないため、タイミングの設計が必要です。
院長先生が時間を使うべき優先順位
マーケティング施策はたくさんありますが、小規模動物病院が院長一人で対応できることには限りがあります。
最優先:Googleビジネスプロフィールの整備と口コミ獲得 費用ゼロで始められ、効果が出やすい。今日から動けます。
第2優先:ホームページに設備・診療内容を正確に記載する 飼い主が「ここで診てもらえる」と判断する情報源です。情報が古いままの病院は機会損失が続きます。
第3優先:紹介ネットワークの構築 近隣の動物病院・ペットショップに挨拶に行く。設備が揃ったタイミングは、この活動をするいい機会です。
SNS・YouTube・ブログの更新はその後です。継続できない施策を始めても逆効果になります。
設備投資の計画段階からマーケティングも考える
補助金申請のサポートをしていて感じることがあります。設備を入れてから「さてどうしよう」と考え始める病院と、導入前から「入れた後に誰に知らせるか」まで設計している病院では、投資の成果が違います。
機器の導入と、その後の集患戦略はセットで考える必要があります。
補助金申請の相談と合わせて、導入後のマーケティングの方向性についても話せます。
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